そら飛ぶ映画好きのひとりごと。

感想は抽象的であり、単なる感想に過ぎません。

ダンケルクをIMAXで鑑賞してみた

ダンケルクIMAXで上映しているというから、これは観に行かねば!と思い立って行ってみたのだが、やはり映画は映画館で観るべきだ・・・という思いを強くさせられた。

感想の前に、なんと、IMAXでテネットの予告を見ることができた。他の映画の予告は一切やらず、10分くらい使ってテネットの予告を見せてもらえた。

急いでいたので、昔の記憶を頼りにろくにスクリーン番号を確認せずに入ってしまい、初めはあまりの予告の長さに、しかも予告というより本編の冒頭なのか一部なのかを、カットなしで放映しているので、別のところへ入ってしまったのかと冷や汗が出た。

途中でTENETのタイトルが出たので、あ、クリストファー・ノーランの最新作ではないか・・・と納得したのである。

テネットととは初め気づかなかったのだが、あまりの緊迫感、迫力に見入ってしまい、この映画絶対見に行きたいなーなんだろうと呑気に思ったのである。クリストファー・ノーランの映画は絶対映画館で、できればIMAXかドルビーシネマか、その類の映画館で観るべきだ。

 

2年前くらいにダンケルクを家のテレビで観た。公開は2017年というが、私はその頃社会人2年目で映画どころではなかったため、ほとんど映画に触れていなかった時期だ。そう、ダンケルクを映画館で観ていなかった。しかしながら、2017年のいつだったか、映画を好きと言いながら映画のこと何も分かっていない、観ても理解できないことが多い、こんなんで映画好きとは言えない、ということに思い悩んで映画に向き合おうと思い立った時期でもある。その頃は映画館で映画を見るというよりは、これは観ておくべき映画、という教科書的なものをひたすら家で見始めた頃なのである。

 

そんなこんなで、家のテレビで2年ほど前にダンケルクを鑑賞し、何を言わんとしている映画なのか、正直汲み取れていなかったと思う。以前の私の感想を読めばわかると思うが、登場する人々の動きだとかセリフだとか内容的なところに注目して、なんとかこの映画のテーマか何かを汲み取ろうとしている。

 

minamii2.hatenablog.com

 

ただこれは、私の映画への理解力が乏しかったことも確かではあるが、家のテレビで見たからこそなおさらこんな感想になるのだと思う。今回ダンケルクを映画館で観て思ったのだが、家のテレビで観ると映画のストーリーだとかにばかり目がいき、内容的な部分の感想ばかりになる。しかし、映画館では映像や音や全てに対して感じることができる。映画を成すもの全てに対する感想を持てる。だから、家のテレビでは感じられなかったことがあり、前とは違った感想を持てた。

やはり映像の素晴らしさは大きなスクリーンではないと伝わらないなと思った。

 

今回ダンケルクIMAXで観て、隅から隅までよーく観ることができた。

何がすごかったかって、どこにもCGが使われていないところだ。CGなしではとても危険とも思えることをやっているのだ。それをあの大スクリーンで体感できた。

 

そのシーンはどうなっているの?というものばかりであり、是非ともメイキングを観てみたいと思った。

戦闘機のシーンなんか、どうやって撮影したのだろうか。翼にカメラを設置しているような画があったが。飛びながら前に飛ぶ戦闘機を撮影して、更には戦闘機が墜落し、海に沈んでいくところまで映して。

エンドクレジットを注意深く見ていると、スタントチームが紹介されている。人数がとても多く、こんな規模のスタント見たことないんだけど・・・と思った。あの映画を見ていれば分かるが、それだけのスタントの協力があってこそなのだ。本当に、素人がやったら死んじゃうのではないか?という戦争の現実が映し出されていたようだった。

 

CGの全てを否定する気は全くないが、どうしても苦手意識がある。本物を使って撮った方が明らかに映像が素晴らしいからである。

優れた脚本で見応えのある映画であれば、CGを使っていても満足感を得られると思うし、それに危険なシーンは使わざるを得ないと思うからCGを悪いものとは思っていない。だが、CGと分かった途端になぜだかがっかりしてしまう・・・。それは、CGではない映像がいかに感動的で素晴らしいか、美しいかということを知っているからだ。一度それを体験してしまうと、CGが苦手になってしまう。

 

この映画は、映像やスタントやキャストの規模のすごさを感じる映画であり、内容的なところは非常に淡々としていて、そこまで奥深いものでもないのだと気づいた。

 

兵士たちの行動から戦争を経験するということ、危険な場所へ身を置くということが人間の心にどのような影響を与え、どんな行動を取らせるのかというのが見て取れる。

ただダンケルクは、映像やスタントの部分に特化していて内容的なところは少し物足りなさを感じてしまう映画であった。もう少し深掘りすれば、「サウルの息子」のようにその映像に深い意味を持たせているような部分があるかもしれないが。なんというか、映像はすごく見応えがあり本当にすごいものだと思うのだが、内容的なところは少し地味な映画だと感じた。

 

地味と言っても、以前感じたような生きたいという欲望や戦場では人が簡単に死んでしまうという現実、正義感による戦ってきた者の後ろめたさ、民間人の一人でも多くの兵士を救いたいという想い。そう言ったこと感じ、見ることができる。

そこは悲しかったり苦しかったり、感動的であったりし、戦争について考えさせられてしまう。