そら飛ぶ映画好きのひとりごと。

感想は抽象的であり、単なる感想に過ぎません。

虹色のスカイツリー

1日中自宅にいた。仕事を終え、寒空の下に身を晒してみる。

新型コロナウイルスの影響で、ここ最近、会社に出向くのは2日に1回となった。自宅で仕事をする日は、一度も外に出ない時もある。

家の中で、ほとんどの時間をソファかダイニングの椅子に座って過ごしていると、いや、流石に体に悪影響だろうと、健康を気にしだす。

今日は残業をしたし、外へ出て気分を変えたくなったので、わざわざ寒い夜に近所のラーメン店にでもいってやろう、という気になった。外に出てみると、虹色のスカイツリーが見える。おや、珍しいと思い、ラーメンを食べ終えたら源森橋まで足を運び、そこからよく眺めてみよう、と決めた。

ラーメンはずっと気になっていた、のじりという店の煮干しラーメンを食べた。浅草駅から自宅へ向かう途中によく通る場所にあり、二度ほど入ろうとしてやめたことがある。わざわざ電車に乗って上野などのラーメンを食べに行くのも面倒なので、いよいよそこへ足を踏み入れようという気になった。

実は、煮干しを使ったスープにそこまで魅力を感じられなかったことと、ネギが大量に乗っかっていたことが、食べてみたい、という気持ちを遠のかせていた。

実際食べてみて、美味しかったと思う。だがやはり、そこまで好みではなかった。

店が小さいので、店内に4人しかいないのに2人順番待ちをしているという状況だったので、早々に食べ終え、店を後にした。そして、源森橋へ向かう。

やはり素敵な眺めだった。道ゆく人はみな足を止め、さらには、自転車に乗っている人までもがわざわざ自転車を止め、降りて、写真を撮っていた。虹色に輝いているのは、やはり珍しい。私も位置を変え何枚か撮ったが、スカイツリーまでの距離が近い場所なので、なんだか思い通りには撮れなかった。とはいっても綺麗な写真が撮れたので、満足である。

あの辺は、隅田公園の側であるが、最近「東京ミズマチ」というものができた。

北十間川という小さな川沿いに飲食店や雑貨屋が立ち並んでいる。まだ店に足を運んだことはないが、パッとみた感じどれも今時の洒落た感じである。隅田公園も、私がこの辺りに越してきた時とはまるで違っていて、これまた整った小ぎれいな公園になってしまっている。

私は社会人になって思い悩んでいる時、隅田公園の木陰にあったベンチに座り物思いに耽っていたが、そのベンチも消えてしまっていて、少し切ない。

どれもこれも、東京オリンピックに向けて、整えていたものだろうと思うとまた別の意味で切ない。

墨田区といえば、アサヒビールの本社があり、その隣にはみんなが大好きなうんちビルがある。聞いたところによると、あれは実は金の炎らしいが、建築法か何かで縦にできなかったらしい。本当なのだろうか。まあ、あれがなんであろうと、象徴的なことに変わりはなく、みんな惹かれているからなんでもいいだろう。

その、ウンチがのっかているビルには、「東京オリンピック開催まであと〇〇日」と日々カウントダウンが灯されていたのだ。4年前、越してきた時からほぼ毎日のように吾妻橋を渡り、その「あと〇〇日」を眺めていたので、そのカウントダウンの意味もまるでなくなってしまったことも、非常に切なくなる。

人々の暮らしが、まさに一変してしまった。こんなことがあっていいのだろうか。

ファイザーがワクチンを作り、効果9割以上との情報があった。早速イギリスが承認したようだが、日本はどうなるのか、実際の効能はいかほどなのか。果たして、近い未来に終わりは来るのだろうか。