そら飛ぶ映画好きのひとりごと。

感想は抽象的であり、単なる感想に過ぎません。

ブリグズビー・ベア BRIGSBY BEAR

この映画を知っているだろうか?

 

監督:デイブ・マッカリー(なんとエマ・ストーンのパートナー)

 

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私がこの映画を見たのは結構前ですが、調べてみたらまだ上映中とのことなので、これは書かずにはいられん!と思いました。

 

 

かなり、笑えます。かなり、泣けます。人にオススメしたくなるような、とても良い映画。

 

純粋っていいなぁ、好きなものを声高に好き!って言えることって、素晴らしいな、と感じさせられました。

私は、新宿シネマカリテという映画館で観ましたが、そこには初めて行きました。劇場はとても小さくこじんまりとしていて、サブカル感が漂っていました。まさに、「ブリグズビー・ベア」が醸し出す、レトロな、80年代風の雰囲気とマッチしていて、この映画を観るにふさわしいところ選んだかなー自分!とか思って、1人気分が高まっていました。

 

 

赤ん坊の頃に、何者かに誘拐された主人公は、とても閉鎖的な場所で育てられました。ブリグズビー・ベアというテレビ番組だけを見て育ちました。それゆえ彼の部屋はブリグズビーのグッズで溢れ、まさに“好き”に囲まれています。彼は生粋のオタクです。

私、そういった好きなものに囲まれて、人生のすべてを好きなものに捧げている彼の姿を見て、泣きそうになりました。これこそ人の歩むべき道なんじゃないか…。好きなものを追求するのって楽しいよねって思いながらその姿を見ていました。

話を戻します。

そんな環境で25年間生き、ついに元の世界、正しい親のもとに返され、彼の人生が大きく動き出します。大好きなブリグズビーベアというキャラクターを使い、映画を作ってやろうって話です。

 

ストーリーの展開に関しては、詰めが甘い、とも言えます。主人公の状況は結構深刻であるはずなのに、主人公自身もそうだし、周りの人間もその深刻さをいくらなんでも簡単に受け入れすぎじゃないか??と思わせられました。

最も引っかかったのが、主人公の父親が進んで主人公を精神病院送りにしたはずなのに、息子が作った未完成の映画を観るやいなや、いとも簡単に映画製作手伝うよ、やはり好きなことをしなければね、と言って、憎いはずの目も当てられないであろうブリグズビーベアの存在を受け入れてしまっているのが気になりました。

本来であれば、もっと葛藤が描かれても良いのではないのか、と思います。

しかし、この映画のテーマはそこではないのだと思います。だからその点に関する詰めが甘くてもものすごく評価されている。

 

この映画が描いていることは、あくまで、ブリグズビーという存在の愛おしさや、誰しも幼少期にあったであろう、自分にとってのヒーロー・ヒロインの存在の素晴らしさ、そして、好きなことに迷いなくまっすぐ打ち込むことがどんなに人を生き生きとさせるか、といったところであろうと思いました。

そういった点にフォーカスを当てているので、悩める心の葛藤なんかはあまり詰めていなくても、まあ良いかなと思います。

 

 

観ていて感じたのは、何かを突き詰めている人って面白いなあってことです。

人目を気にせず、そして、人の評価も気にせず、自分が良いと思ったものを一生懸命突き詰めて、形にしていく。

それって本当に楽しくて素晴らしくて素敵なことだと思います。

確かに、現実はこの映画のように上手くいくものではないです。好きなことをして生きていくには多くの壁が存在するのも事実です。

だけれど、やりたいと思ったことや、興味を持ったことにどんどん手を出していくことは全然間違ったことではなく、むしろそうすることで人生が輝くのではないかと思います。

 

 

この映画を見て感じたことは、映画って良いなぁ、ものづくりって素晴らしいなということです。

 

 

ぜひ見ていただきたい。上映館少ないですけど機会があれば、観ていただきたい作品です。